キミがいた証
もっと側に行こうと思ったけど、足が動かなかった。
それでも足を動かそうとした。
「ま…しろ…?」
優斗が目を開け私を呼んだ。
「…っ、ゆう…と…」
涙が頬を濡らした。
「大丈夫だよ…」
と、優斗が優しく微笑んだ。
そして救急車にお兄ちゃんが付き添い、運ばれていった。
それと同時に私は崩れ落ちた。
「や…嫌だよ…っ…」
そんな私を千夏が引っ張ってくれた。
「真白!行くよっ!!」
ひびの入ったガラスは、私の掌の中で割れていった。