キミがいた証
きっと、ほんの数秒ほどの間だったと思う。
けれど、その間が凄く長く感じた。
「お兄ちゃん…?優斗は…?」
進まなかった足が、今は進む。
私はお兄ちゃんの真ん前まで来ていた。
「ねぇ…!無事なんだよね…!?」
見上げると、お兄ちゃんは唇を軽く噛み、ただ、首を横に振った。
「―――――」
言葉にならなかった。
「嘘だ!ねぇ、嘘でしょ!?」
私は病室に駆け入った。
私の手からは、血が出ていた。
割れたガラスは
もう、二度と元に戻ることはない―…