Kiss★恐怖症
「…直樹」


「何?」


「なんでそこまでしてくれるの?今日、初めて話したのに…」


同じ学年とはいえ、話したことは一度もない。


クラスも3年間同じじゃなかった。


たまたまミス聖南とミスター聖南だっただけ。


そう。


ただ、それだけ。


「んー難しい質問。まあ―…気に入った…から?星蘭のこと」


「なっ…」


平然とそんなことを言う直樹。


私は少しだけ、頬が赤らむのを感じた。


「わ、わ訳わかんないし」


何照れてんだ、私。


「別に本当のことだし。嘘じゃねーし」


なんて、また平然と。


こんなことで照れる私が、また恥ずかしくなる。




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