「好きになるはずなかったのに」

「そっか…」


ポツリと囁いた露子は、瞳から輝きを放つのに忙しくしていて、背後の気配に全く気がつかなかった。
 

「どう思いますか?」

低く優しい声に露子は素直に応えた。

「そう……ですね。“夢”“大人への憧れ”。
うん。そんな感じですかね。
でも、この子は到底とびきりの美人とは言えません。
幼いながらにこの子は“女性”で、既に美しくなりたいっていう願望が表れのている様な…。

きっと、彼女の目に映っているのは、
私達に見えている少女ではなくて、実際鏡に映っている以上に美しい女性なんだと思います。だから…
こういう年齢の少女の瞳は、大人からするととても希少価値の高いものだと思います……」



露子は今日初の笑顔で、

一等の微笑みをふとみせ、

問いかけた主も、ふっと微笑んだ。
< 13 / 54 >

この作品をシェア

pagetop