Spring wind〜大切な日〜
それから何時間か経ち、あたし達は帰ることにした。



「それじゃ、写真ありがとね♪ バイバイ。」


『どういたしまして。 またな。』



あたし達は家が真逆にあるから

同時に後ろを向き、歩きはじめた。



『……………西野!!』


「んぅ?何!?」



小川はいきなりあたしの事を大声で呼んできた。


そして、あたしと小川はすごく距離があったのに

目の前に小川が走って来た。



『言うことあったのに忘れてた!!』


「言うこと?何、何!?」


『俺、中2の時由紀と付き合ってたじゃん。 その時、千尋に西野のメアドを教えてもらえて良かったと思ってるんだ。
いつでも俺と由紀の惚気話を聞いてくれるし、西野とメールをするのすごく楽しかった。
誕生日のメールもプレゼントも嬉しかった。
本当にありがとな!!』


「………………そ、そんな事言いに来たの?」



あたしは、小川からの言葉が嬉しかったのに

冷たく返してしまった。



『西野が「そんな事」って思ってても、俺にはすごくありがたい事だから。』


「…………だったら、こっちこそ"ありがとう"だよ。
小川には相談相手になってもらったし、いっぱい迷惑もかけたのに…………普通でいてくれるし。
あたしも小川とメールが出来て良かったって思ってる。
本当にありがとね☆」



あたしは、もっと小川には言っておきたい事がいっぱいあったけど

今のいっぱいいっぱいの感謝を伝えた。


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