ゴスロリ彼女のキスの味


「違う、倉吉さんの言ってることは全部嘘。私は生まれてからいままで札幌から離れたことないし、お母さんは再婚なんてしていない!」

 ゼロがはっきり否定してくれて、おれは安堵した。


「蜜姫さんの言ったことは全て嘘。失敗したな……卒業アルバムでもあれば証明できるのに……ねぇ、田中君、あたしは3組で蜜姫さんは4組だったの。覚えてない?」

 倉吉は困った顔をして、おれの記憶に再考を求める。


 記憶を手繰れば手繰るほど白い霧はなぜか濃くなる。


「二人ともおれの記憶にはない」


「そう……残念ね」

 倉吉に落胆の色が浮かぶ。

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