ゴスロリ彼女のキスの味


 魚眼レンズから外の様子を見ると人影がない。


 ますます怪しい。


 下駄箱に立てかけていたビニール傘を片手に持ち、ゆっくりと慎重にドアを開ける。


 やっぱり誰もいない。


 子供の悪戯かな?


 そう思ったとき、足元に一輪の花があることに気づいた。


 赤いダリア。


 ゼロが好きだと言っていた花。


 玄関に向かって真っ直ぐ置いてある。


 風で飛んできたわけじゃない。

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