ゴスロリ彼女のキスの味


「ニュース見た?」


「今朝知った」


「怖いね」


「公園にはもう行けないね」


 『ゴスロリ殺人事件』の効果は絶大で、おれに挨拶してくれる奴なんていない。


 ため息が出そうになるのを我慢して自分の席に着く。


 すると、トントンと指で背中を突かれた。


 ゼロだなと思って笑顔で振り向くと、2人の男子がおれの後ろに立っていた。


 2人ともクラスメイトだということはわかるが、顔と名前が一致しない。

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