Cygnus
でも





でも…



もう…無理だよ…



「芳史ぃ…!」



絞り出したような声が

誰もいない

部屋に響いた





どうして…


…いないの?




どうして…


どうして…


「芳史…。」



瞳を閉じれば

窓辺には変わらず彼が
立っていて


私の声に
優しく微笑んでくれる



なのに


見上げた先には


何も…ない…
< 184 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop