Cygnus
早川は
写真を手にとって


マジマジと見つめている


その顔には

まるで
幽霊でも見たかのような

驚きと不安な表情が
浮かんでいた




「この…隣にいるのって…。」

早川の乾いた声に
俺は
平然と言い放った



「紗季ちゃんだよ。

当時
芳史と彼女は付き合っていた。」



「?!!」


写真から顔をあげて
早川は俺を見上げた


その苦痛にゆがんだ表情が
俺の心を満たしていく



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