特別短編集
逃げなければ。
そう思ったのに動けなかった。
気持ちも伝えていないし、このまま流されるのは嫌だった。
そして隆の思うままになるのはイヤだという意地もあった。
だから逃げようと思った。
だけど身体は正直なのか意思に従おうとしない。
そしてふと、由夏の言葉が頭に浮かんだ。
由夏が稜くんと付き合いだしたころ
「恋愛では、気持ちに素直になるのが一番だって気付いた!」
そう言って嬉しそうに笑ってた由夏の表情は綺麗だった。
このまま意地を捨てて、
何も考えないで、
気持ちに素直になったら・・・?
「タイムオーバー」