大切な人
2人とも楽しそうに話してるではないか……
…っておいっ!!俺が先に話しかけたのに、なんで陸に取られるんだ?!
すると今度は、いつの間にかユリちゃんの目の前にいた薫が割り込んできた。
「ユリちゃんは吹奏楽部続けるの?」
「いえ、今はピアノを習ってるので、そっちに打ちこもうと思ってるんですよ。」
薫がしゃがみこんで、上目遣いで言った。
「なんだぁ……、ユリちゃんのフルート聴いてみたかったなぁ…。」
なななななに~~~?!!そのかわいさ……じゃなくて!そのぶりっこ!!
上目遣いって……、プリクラ撮るときの女子かっ!
かわいいから許すけど……じゃなくて、ユリちゃんにアピールするなぁぁ~~!!
また胸がしめつけられる。
俺だって話してぇよ……。
「クロさんは何をなされてたんですか?」
…え……?
いきなりユリちゃんに話しかけられて、反応しきれないでいた。
「あ、あの……部活…。」
俺は我に返った。
「あ!そ、そゆことね!」
焦る気持ちを必死に隠した。