流星群


「雪っ」

「ん…」

「雪ーっ」

「…すーすー」

「…早く起きねえとちゅうするよ」

「!」


その言葉でぱちっと目が覚める。
横を見ると寝癖のついた金髪が目立つ桜が笑ってた。
あ、そっか…桜がいたんだ。
いつもの朝とは違う朝。


「今、何時?」

「8時」


…もっとだらしがないと思ってたのに案外この男規則正しいらしい。


「とりあえず起きたんなら着替えてリビング来いよ」

「ん」

「あ、冷蔵庫にあったやつ適当に使ったから」

「ん」


そう言って桜は部屋から出て行った。
桜が出ていくとあたしはクローゼットからセーターとスキニーを引っ張り出して手際よく着替えてく。
頭はまだ寝ぼけている様で目がしっかりと開かない状態でリビングへ向かう。
廊下に出るといい匂いが鼻に入ってきた。
お腹、空いたなー。


ガチャ


「ど?旨そう?」

「…え、ああ、うん」


驚いた。
テーブルには白いご飯に味噌汁目玉焼きサラダが並べてある。
素朴だがちゃんとした朝御飯、もちろん2食分。


「さ、食べて食べて」


にこにこしながらあたしを席につかせてどうやら食べるのを待っているみたいだ。
あんまり見られると食べにくいんだけどな…そう思いながらも味噌汁を一口すすった。


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