空の向こう側
嫌がる夏を無理矢理湖の中に引っ張り込む
月を見た夏は「まぁな。」と言った。
ふふっ…強がっちゃってさ
私、水の中で少しだけ夏の方見たんだよ?
茫然としちゃってたくせに、素直じゃないなぁ…
湖から上がった私に、夏がブレザーを貸してくれた。
別にいいよ、って言ったのに、夏は強引に私に着せた。
夏のブレザーは、やっぱり私が着ると大きくて
やっぱり男の子なんだ、って嫌でも分かった。
「世界ってさ、広いよね?」