空の向こう側

湖の中を泳いでる沢山の魚達


仰向けになって寝ころぶと、水面にぼやけて映る月


今まで見て来た中で一番綺麗で

心が満たされていく。



…水の中には沢山いるのにな

地上では、一人なんだ



私も魚に生まれれば良かったかなぁ?




息が続かなくて、私は一旦顔を出した。



誰もいない筈の地上に見えた、一つの影



「あれ?夏じゃん。」

「…沙希?」


それは紛れもなく、夏だった。



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