きいろい青空【完】
学校中がこの話題で持ち切りだ。
「最近、この話しか聞かなくね?」
休み時間、理科室から戻ってくる廊下で英斗が言った。
もう飽きましたといったように、ため息をひとつついて。
「うん。まぁー」
「反応つまんね~。直輝は気になんねぇの?なんで、別れるのかって」
「そりゃあ、気になるけど…関係ないことじゃん?」
本当は、知っている。
別れようと言った理由を。
颯さんの暴力から守るために自ら身を引いた。
英斗は、ぶすっとつまんない顔している。
なのに、急に瞳を輝かせている英斗。
「俺、イイコト教えてやろっかなぁ~?」
「な、なに?」
英斗の顔が怪しい…
何を企んでいるんだ?
「学校の裏の神社。花恋と颯がいつも帰りに行ってたらしいんよ~」
「あそう」
「行ってたらしいよぉ~~!!直輝ちゃん」
声を大きくして耳のそばで言ってくる。
うるさくて、英斗から顔を遠ざけた。
あからさまに、その神社に行けって遠まわしに言ってるじゃん!
やれやれですね…英斗ちゃん。