きいろい青空【完】
「そう!それ、俺のじいちゃんでさ~」
「えっ!!そうだったの!?」
すごい翼の驚きよう。
「うん。で、じいちゃんが最近倒れたんだよ…。じいちゃん入院したくないっつーから家で寝ているんだけど、1人じゃ危ないじゃん?だから、俺が手伝いに」
「そっかぁ…お大事にね。でも、今の家より近いじゃん!!」
目を輝かせている翼。
「うん!すぐ会えるよ」
「やったぁ~!!会いに行っちゃう~」
満面の笑みというやつ。
キラキラしてる翼の笑顔。
「もう今日からそっちの家に帰るから、一緒に行こ?」
「帰りも長くいられるんだねー!」
笑ってくれる翼。
こういうときに幸せを感じる。
春の道を、翼と笑顔で帰った。
住宅街の一軒だけ古いじいちゃんの家。
----ピンポーン。
「はい。はいはいはい…」
と聞こえ、ガラガラと鈍い音をたてて扉が開いた。
「久しぶり!!」
「直輝かぁ~~~。おっきくなったなぁー!」
じいちゃんは、俺の横に並んで背比べを始めた。
俺の方が大きかったけど…
何年ぶりだろう?
全然じいちゃんと会っていなかった。
シワが増えただけで何も変わっていない。
すごい懐かしい。
「こんにちはっ!」
隣にいた翼がひょこっと顔を出した。
「おぉ、翼ちゃん!こんにちは」
「俺の彼女なんだよ」
「直輝の!?こんな可愛い子がぁ~。直輝をよろしく頼むよ」
「はい!!」
翼は意外に仲が良いらしい。
びっくりだな。