きいろい青空【完】
「え、じゃあ優勝!?すごーーい!」
隣で拍手をしている美久。
その時、はっとした。
うち…叫んでいた。
本当に無意識だった……。
「じゃあ、仲直りするっ?」
目を輝かせて嬉しそうに訊いてくる。
「え…いや!ムリムリムリ!!」
首を横に思い切り振って、全否定。
「えー……してくんないのぉ?」
「嫌だ」
「ひどぉ…」
肩を落として落ち込んでいる。
でも、しっかり目は優勝を喜び合っている英斗を見つめて。
てか、なんでだよ!?
なに叫んでんの…?
しかも…なんで…
シュート入ったとき。
ドキッとしたの……?
わかんない!!
この気持ち、知らないよ。
でも、この気持ちの正体に気付いちゃいけない気がする。
隠しておかないといけない気持ちなんだ。
だから、他人でいたい。