きいろい青空【完】




「諦めてどーすんだよっ!?」



俺が声を上げ、そして走り出した。




「おいっ!!どこ行くんだよ?」



英斗の問いかけなんか無視して廊下を走る。



諦めて…たまるかっ…。




俺の向かった先は、校長室。





「校長先生!!先生…っ」



校長室の扉を叫びながら叩く。





「なんだ?騒がしいな」



校長先生は、困惑した顔で扉を開けた。




「先生!花恋の退学を…っ」



「これからわたしは出張だから。ほら、どいて」




鞄を持って出掛けようとしている。




「花恋の退学を…取りやめてもらえませんかっ!?」



「何、おかしなことを言ってるんだ。もう決まったことなんだ」




校長は、俺と目を合わすことも無く立ち去る。



そんな校長を追いかけ、呼び止める。





「先生!お願いします!!花恋の退学を!」



「あの生徒はなにかと問題が多かったんだ。あの結果でも仕方がないだろう?」



「先生!!」



俺は、どうすればいいんだ…?


校長は、スタスタと歩き職員玄関を出て、外まで来てしまった。




「なんとか出来ませんか!?退学を…」





その時、初めて目を合わして答えた校長。




「残念だが、無理だ」



もう…こうするしか無いんだ!


俺は、花恋のためならどんなことでもすると決めたんだ…っ。





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