きいろい青空【完】
誕生日プレゼント




19才最後の日。


直輝とうちには、いくつもの季節が流れた。



無事、高校を卒業することもできた。



明日は20才の誕生日。



そして…




パンパンッ!!



手を叩いて、頭をペコっと下げる。



うちは神社に来ている。


この神社は、学校帰りに颯とふたりでよく来た場所だ。


ここでたくさんの話をした。




颯とうちだけの場所…




「あっ。いたいた」



愛しい声が聞こえ、振り返った。



そこには、直輝が歩いてくる姿が見える。



大好きな直輝が。





「絶対ここにいると思った」



「うん。よくわかったね」



得意げに笑っている直輝。



「ねぇ、知ってる?恋のおまじない」



わくわくしながら訊いた。



「知ってるよ。5円と1円だろ?」

あっさりと直輝は答えた。



「なーんだ、知ってんのか。つまんないのぉ〜」



「んじゃ、ふたりで入れよっか?」



「え?ダメだよ。片想いのおまじないなんだから」




恋のおまじない。



それは、5円玉と1円玉=コ・イ


という単純なやつ。



でも、これをやって願ったら、本当に両思いなった友達もいるほどだから…


相当なやつ!









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