きいろい青空【完】
ふたつの好き
「もぉ~さ、マジ昨日ウケちゃって。みんなアホだから!」
部活なんて出ないで、放課後の教室でバカ話。
つーちゃんと毎日。
うちの前の席のイスにすわっているつーちゃん。
そんなつーちゃんを見て、ふと思った。
「ねぇ、なんか今日うすくない?」
「あ、気付いた!?」
今日は、なんだか化粧が薄い。
15歳の普通の女の子だ。
「なんで?どうしたの。ねぇ、なんでなんで??」
うちは身を乗り出して訊いた。
「えーー。聞きたい?」
「うんうん!どうしてどうして?教えてよぉ」
つーちゃんは、目をパチパチさせて焦らしている。
そして、つーちゃんが小さく手招きをしたから耳を近づけた。
「………好きな人、できたっ」
耳の中で恥ずかしながら言うつーちゃんの声。
「えっっ!!!マジすか?」
「うん、マジぃ~」
ピースして笑った。
「だれ?教えください!!お願いしますっ」
両手を合わせてお願いをする。
「あのね…やっぱ、まだ教えなーい」
「えーーー何それーーー。ヒドくねぇー」
「でも、明日。告んのっ」
「えっ、いきなり!?てか、もうそこまでいってんの?」
普通にびっくり。
「うん。だから、明日告ったら相手わかるっしょ?」
「うん、まぁ…そうだけど。じゃあ、明日がんばって!!」