きいろい青空【完】
「あの、きのうはすいませんでした。なんか…」
「うちもゴメンね?いきなり、キスしちゃって」
「で、えっとぉ…そのぉー…ですね」
あぁ~緊張する。
目が泳ぐ。
「なにーー??どしたぁ?」
「俺を。…翼さんの彼氏にしてください!!」
自分の声が廊下に響いた。
ヤバいな…
ほんと、緊張しかない。
「…え?マジで言ってんの??」
少し、怪しいといった顔で聞いてくる。
「はい。本気ですっ」
真剣に言って伝えよう。
「本当に?いいの!?キスとかするんだよ!?」
身を乗り出してくる翼さん。
「はい、わかってます。でも、付き合う前に一応…言っておきたい事があって」
「なに?」
「俺、まだ翼さんのこと好きじゃないです」
このことは、伝えなければならない事実だから。
ちゃんと言いたい。
「えー、それだけなん?」
「え?あ、はい…」
あっさりとし過ぎた言葉が返ってきて、思わず問いかけてしまった。
「これを知っててから決めてもらいたいんです。付き合うか、どうかを」