Out-of-Eden―禁断の果実―
「寒くないか?」

「大丈夫です…」



静かに自分の黒いコートを脱いで私に着せてくれた。



どうして優しいんだろう。



私は何もこの関係に口出さずにいる。


私のことどのくらい知っているのかな?



私は何も柊斗さんのこと知らない。




「柊斗さんってどんな人なんですか?」

「何が言いたい」

「えっと…私はいつもこうやって親切にしてもらってるのに何も知らないからです」

「気にしなくていい」



私の顔を見てからまた前を向いて歩きだす。


「気にしなくてもいい」って言われたらもっと気にしてしまう。






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