Out-of-Eden―禁断の果実―

【林檎】



「塾です」



なんとか私は柊斗さんに上手く言えたらしく柊斗さんはそれ以上私に何も言わなかった。



私が遅れそうになると足を止めて待っていてくれる。


柊斗さんは優しい人だと思う。




「柊斗さん塾の帰りにその…」

「どっか寄りたいのか？」

「あ、はい。では私は塾に行って来ますので」




柊斗さんに今日終わる時刻を告げた。




自動ドアを通り、自分の指定されている席に座り勉強道具を出す。




いたってガヤガヤしなくていいものの、逆に静かすぎて勉強しなくてはならないというプレッシャーがかかってしまう。




早く終わらないかな。