Out-of-Eden―禁断の果実―
「私は――です」




嘘をついて偽名を使いたかったけど、いけない気がしたから言わなかった。




「名前は必ず見つけるから。今日はありがとな」




男が立ち上がり、私の手からハンカチをスッと取った。




「また会えるか?」



髪を触りながら、シトラスの香りを漂わせる。




「……わかりません。多分もう会わないです。じゃあ」

「俺、チームに入ってんだけど」




去ろうとしたのに、呼び止められたのかと思い振り返った。



「……」

「いつか今より強くなって、チームのトップになったそのときはオマエに会いに行く」

「楽しみにしてます」



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