Out-of-Eden―禁断の果実―
epsode




また寒い寒い季節が来る。




柊斗さんの手が暖かい。




息を吐くと白い吐息がでる。




今日はクリスマス、柊斗さんがフランスディナーを予約してくれた。





ピンクのハートのイヤリングをくれた。



これきっと高いだろうな。




「つけてもいいですか」と言って化粧室でつけて帰ると「似合う」と喜んでいた。




お口直しのデザートが出たあと私は柊斗さんが好きなブランドの財布を渡すと「大切に使う」と言ってくれた。




メインディッシュを食べてこのビルの最上階にある展望台に連れて行ってくれた。




夜景がとてもきれい。人が物が小さく見える。




足元は演出なのかカラフルに照らされていた。




夜景をみていると「林檎」と呼ばれた。




「何ですか」

「こんな機会滅多にないから…言わせてくれ」

「好きだ」




それはこの日までずっと我慢してきた言葉のように聞こえた。




嬉しい…




柊斗さんと一緒に居たい。




「はい」




そう答えると背の低い私のためにかがんで優しくしてくれた。










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