Out-of-Eden―禁断の果実―

私は不思議そうに見知らぬ男を見つめる。



「林檎ちゃ…林檎さんスか？」

「えと、はい……」




本当に誰何だろう。



私の返事を聞くと顔が明るくなって私をマジマジと見る。



「何でしょう？」

「いえ、一回お会いしたかったんスよ」

「どうしてですか？」

「それは詳しくは言えないんスけど」




この男、自分の名前も言わないで非常識と言う奴なのかもしれない。




私が不服が男にバレたのか、「名乗るほどじゃないです」と言った。




「教えてほしいです。是非」

「那智です…」

「ナチさん」

「呼びつけでいいっスよ？」

「ナチさんこそ「林檎さん」呼ばわりです」