Out-of-Eden―禁断の果実―
渡されたのは私でも飲める程度のコーヒーだった。



「おいしいです…」

「そうか」

「本当にごめんなさい」

「気にするな」

「えと…柊斗さんは大丈夫ですか?寒くないですか?」

「大丈夫だ」





ううん…。



寒くないわけがない。



ポケットに手をつっこんでさっきから白い息を出してる。





「私のコート貸します」

「着れねえ」

「あっ…ごめんなさい」

「……気持ちだけもらっとく」

「…はい」




寒いのは見てられない。




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