《完》螺旋 ―*RASEN*― 〜禁断の迷路〜
あたしは初めて、触れて
くるお兄ちゃんの手を
全身で拒んだ。
お兄ちゃんは手を止めて、
あたしの耳元で囁くように、
「嫉妬するかい? 彼女に。
彼女に触れた手で触れられ
るのは、汚らわしいと思う?」
「嫌だ………どうして……」
どうして、そんなことを聞くの?
「気づいたろう、紗耶。
お前の心も体も、僕を
求めてるんだって。
僕がお前だけを愛して
ないと悲しいんだろう?
それはつまり……紗耶は
僕から離れられない、って
ことだよ」
_
くるお兄ちゃんの手を
全身で拒んだ。
お兄ちゃんは手を止めて、
あたしの耳元で囁くように、
「嫉妬するかい? 彼女に。
彼女に触れた手で触れられ
るのは、汚らわしいと思う?」
「嫌だ………どうして……」
どうして、そんなことを聞くの?
「気づいたろう、紗耶。
お前の心も体も、僕を
求めてるんだって。
僕がお前だけを愛して
ないと悲しいんだろう?
それはつまり……紗耶は
僕から離れられない、って
ことだよ」
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