君の温もり
昼休み。窓際の席から外を眺めていると遠くの方から曇ってきている雲が怪しげに向かってて、放課後になると見事に雨が舞い降りていた。
「またか…」
嫌いだった雨が嫌じゃなくなったのはもう先輩と会う必要性が無くなった所為なのかも知れない。
でも、朝晴れていた所為もあって傘なんて持って来ていない。
昇降口に佇んで次々と帰って行く生徒達をぼんやりと眺めてた。
天気予報では午後から雨らしき事は言っていた。傘を忘れずに…なんて言ってた記憶がある。でも、実際出る時に降ってなかったら傘なんて当たり前に忘れてしまう。
どうしょうか…
悩んだって仕方がない。止むのを待つしかないんだから…って言ってもいつ止むのか分かんない雨に深くため息が出る。
「すげぇな、雨…」
スッと隣に表れた人影にチラッと視線を送ると、顔を顰めたまま空を見上げる先輩が居る。
久しぶりに見る先輩。まさか、こんな雨の日に先輩と出くわすなんて思ってもみなかったあたしは目を見開いたまま茫然と先輩を見つめた。
「傘、持ってねぇの?」
空からあたしに視線を向けてきた先輩にコクンと小さく頷く。
「俺も」
「止むかな、雨」
小さく呟いたあたしは先輩が見上げてる空を同じように見上げる。