空に手が届きそうだ
「嵐みたいだったな。」
「本当だね。」
また、ガタガタとミシンをかける。
縫い終わったのを糸を切って純一郎に渡した。
それを黙って受け取ると、純一郎は優の前に座り相坂が持って来た裁縫セットを開ける。
「ごめんな、優。」
「ん~?」
「気づかなくて……。」
ゆっくりと、針に糸を通す。
「いいよ。加瀬君が気にする事じゃないから。」
「でも……」
「それに、嬉しかったの。庇ってくれてありがとう。」
それ以上は、何も言わなかった。
―優は、強い。
純一郎と優は、黙々と作業をした。
時々、指を刺しそうになりながらも何とかしてネクタイを縫う。一つ仕上げると、隣で二つネクタイは待っていた。
(早っ………。)
その、真剣な目は何かを払拭するように鋭い。
「ん?」
「なんでもない。」
ミシン越しに見る優は、強く優しかった。
――‥‥
――‥
「全部出~来た。」
と、ネクタイとシュシュを全て縫い終わった優は、電源を切って背伸びをする。
「あ~。無理。」
純一郎の前には、大量の布。出来上がったのより、残っている方が多い。
「手伝うわ。」
ミシンのコンセントを抜いた。
「ごめん。頼むな。」
純一郎は、ぐったりと机に伸びた。
「本当だね。」
また、ガタガタとミシンをかける。
縫い終わったのを糸を切って純一郎に渡した。
それを黙って受け取ると、純一郎は優の前に座り相坂が持って来た裁縫セットを開ける。
「ごめんな、優。」
「ん~?」
「気づかなくて……。」
ゆっくりと、針に糸を通す。
「いいよ。加瀬君が気にする事じゃないから。」
「でも……」
「それに、嬉しかったの。庇ってくれてありがとう。」
それ以上は、何も言わなかった。
―優は、強い。
純一郎と優は、黙々と作業をした。
時々、指を刺しそうになりながらも何とかしてネクタイを縫う。一つ仕上げると、隣で二つネクタイは待っていた。
(早っ………。)
その、真剣な目は何かを払拭するように鋭い。
「ん?」
「なんでもない。」
ミシン越しに見る優は、強く優しかった。
――‥‥
――‥
「全部出~来た。」
と、ネクタイとシュシュを全て縫い終わった優は、電源を切って背伸びをする。
「あ~。無理。」
純一郎の前には、大量の布。出来上がったのより、残っている方が多い。
「手伝うわ。」
ミシンのコンセントを抜いた。
「ごめん。頼むな。」
純一郎は、ぐったりと机に伸びた。