ヒーロー フロム ザ アトランティス





ジュニアはロサンゼルスオリンピックまで競泳を続ける気はなかった。



―きっと、パパはモスクワで金メダルを取れば満足してくれるだろう。その時僕は24歳、体力の限界ギリギリだ。パパとは素質が違い過ぎるんだ―



ジュニアの思いをよそに、ジャックは60年隔てて同じスタジアムのセンターポールに、父子2代で星条旗をはためかせる日をなぞらえていた。



しかし、ジュニアの頼みの綱であったモスクワは、アメリカのボイコットで実現不可能となった。



目標を無くしたジュニアの泳ぎは、もはやマットの敵ではなかった。



ジュニアは度々練習をサボるようになった。



そしてジュニアは彼をいつも励ましてくれている、合宿所近くのカフェで働くアンと恋に落ちた。
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