天国からのメール
「!」


「……」


驚いて声も出ない聡。


「え……どうしてだよ、急に?」


作り笑いを浮かべながら聡は言った。


思いつめた様子の慎一は、ゆっくりと口を開いた。


「僕……本当はもともとこのバンドでプロになろうとか思ってなかった。みんなと……竜太と、和樹と、聡と一緒に楽しく音楽やってるだけで、幸せだった。だから、内心……関東大会が落ちて……ホッとしてた……」


「お前……」


「いや、もちろん大会の演奏は真剣にやったよ?でもまさか、本当に全国にいけるなんて思ってなかった……」


「……」


「怖いんだよ、僕。例え優勝してプロになれたからって、一生食べていけるバンドなんて一握りだよ……」


「そんなのお前……やってみなくちゃわかんねぇだろ」


「だから怖いんだよ!もし失敗したら、どうなるの?」


「どうなるって……そんなことわかんねぇよ」


「……」


再び沈黙する二人。


「じゃあ、お前はどうしたいんだよ?」


聡が慎一に聞く。


「全国大会の出場を中止してほしい。そしてこれからもWORLD LINEは趣味として活動していきたいと思ってる」


「慎一……」
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