白銀の女神 紅の王



「えっと…その…あの人がなんて言うか…」

おずおずと言いにくそうに小さく呟く。




「シルバか?」

ズバリ良い当てられた名前に、ビクッと体を揺らせば…

頭上でフッと可笑しそうに笑うデューク。



「アイツならイースト地区の視察に出ているから問題ない。それにちゃんと許可はもらったぞ?」

「そ、そうなんですか!?」

デュークの言葉に驚きを隠せない。


「あぁ、だから心配しなくともいい」




意外だった…

シルバが城外へ行く許可を出すなんて。

ここに来た時から賭博場にいた時のように、シルバの妾であり続ける限り王城から出してもらえないと思っていたから。



「もちろん行くだろ?」

「行きたい……です」

デュークの問いに思わず本音が出る。




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