白銀の女神 紅の王



いつもジェスからこのアーク王国の市場は活気づいていて凄いんだ…と聞かされていたから、行ってみたいと思っていた。

10年間もの賭博場の生活に終止符を打って、シルバに連れ去られたのは真夜中の事だったから周囲を見渡す余裕もなかったし……

城下はどんな所なのだろうか、と期待に胸を膨らませていると…




「よし、じゃぁ行くぞ」

デュークが私の腕を引き歩き出す。



「え…っと。デュークさんと二人でですか?」

まさか二人きりで行くわけじゃないだろうとは思いながらも問う。

王直属の副団長ともあろう人物が、単体で城下へ行くなど危険すぎる。

普通ならば護衛を付けて行くものだが、返って来た言葉に不安は的中する。



「そうだが?」

当たり前だろう、とでも言いたげな顔で言い放つデューク。


しかしそう言った後に……




“いやそれは後々面倒か?”

“俺も後になって面倒事に巻き込まれたくないからな”

などとぶつぶつ呟くデューク。


< 124 / 531 >

この作品をシェア

pagetop