白銀の女神 紅の王
「ニーナこの宝石は何と言うの?」
その宝石を指さしながらニーナに問う。
「これはルビーですね」
「ルビー……」
噛みしめるようにゆっくりと宝石の名を呟く。
そしてそのルビーに見入る。
「ほう…エレナはルビーが好きなのか?」
柱に背をあずけたままのデュークが、面白そうに呟く。
「はい。とっても綺麗です…」
なぜ惹かれるのかは分からないが、紅い宝石がルビーと言う名だと知ってから、益々愛着の様なものが湧いてきて、じっとそのルビーだけを見つめる。
それを意味ありげな意地の悪い笑みを浮かべたデュークが見ていたとも知らずに…
宝石店に滞在する間、皆が店の中を歩き回っている中、ずっとルビーの入ったショーケースの前にいた。
不思議……
なんだか見ていて安心する色だわ。
「ルビーって綺麗ですよね」
ふと、隣に来た人が呟く。