白銀の女神 紅の王
ルビーに見入っていて人が近付いたことに気付かなかった。
話しかけられたことに驚きながらもその人物を見ると……
「ジェ…「シッ…声を抑えて」
驚きその人の名を呼ぼうとすれば、その本人によって阻止される。
「久しぶりだね、エレナ」
そう言ってニッコリと微笑んだのは、見知った相手。
賭博場にいた時は心の支えとなってくれた人…
「ジェス……」
今度は小さい声でその人の名を呟く。
「そのままショーケースを見ながら話を聞いて」
そうだ…ジェスと一緒にいるところを見られてはマズイ。
そう考え慌ててショーケースの宝石へ視線を戻す。
「ジェス……元気だった?」
正直なところ、あの後、シルバがジェスに手を出していないか心配だった。
心配そうに聞けば…
「僕はいつも通りだよ」
ジェスの言葉に心から安堵する。
良かった……
シルバはちゃんと約束を守ってくれていた。