白銀の女神 紅の王



それが意味するものとは……


「んっ……」


ぼんやりと見えかけそうだったが、エレナの声によって霧散する。



チッ………

心の中でついた悪態は答えにたどり着かなかった事に対してか。

それとも自分の意に反した答えを出そうとしていた事に対してか…



どちらにせよその感情に翻弄される事が不愉快でならなかった。


お前は俺のもの。

他の誰のものでもない、俺のものだ。

ダイヤモンドを思わせるような銀色の瞳も。

白銀に染まる髪の一本から流れる血の一滴まで。



「俺から離れる事は許さない」


呟いた声は掠れていた。

結局、この夜も後宮にとどまることはなかった。



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