白銀の女神 紅の王
「治安は悪く、爵位のない者は貧しい暮らしを強いられ、身分の差もとても激しくて…」
話しが進むにつれニーナの顔は歪んでいく。
「私の両親も身分が低くて、私を養えるだけの財力がないからといって捨てられたんです」
衝撃の過去を口にするニーナ。
「ごめんなさい…わたし……」
咄嗟に謝る。
まさかニーナが自分と同じ境遇を持っていたとは思わなかった。
こんなにも明るく、いつも天真爛漫なニーナが…と。
太陽の様に明るい笑顔の下にはこんなにも辛い過去を抱えていたなんて。
そんな辛い経験を話すなど辛いはず…
しかしニーナは焦る私に向かって首を横に振る。
「いいんです。エレナ様がお気になさる事じゃありません。全てアイザックス王の悪政が招いたことです。それに今は幸せですから」
ニーナはいつもの様な笑顔でそう話す。
良かった…いつものニーナだわ。
ニーナの笑顔が戻ったことにほっと安堵する。