白銀の女神 紅の王



「い、いいえ。体調は万全よ」


心配するニーナに慌てて答える。

また体調が思わしくないとシルバに知れたらと思うと咄嗟に否定していた。

そして無意識に「ねぇ、ニーナ」と口を開く。





「あの人は夜ちゃんと寝ているの?あの人こそ体調崩していない?」


口を開く度に胸のもやもやが増える。

自然と眉が寄り、胸が苦しいのは何故だろう。

そんな私の表情にニーナも声を落としながら答える。




「陛下はいつも通りご公務をこなしていますわ…」




ズキンッ―――――

ニーナの言葉は胸のもやもやを残したまま、苦しい程の痛みをもたらした。

シルバはいつも通りに公務をこなしていると言う。

周囲への接し方も体調も、何の変化もない…と。

ただ一つおかしいのは私に対してだけ。


何故私には何も言ってくれないの?


突き付けられた現実に訳の分からない感情がごちゃごちゃと入り乱れる。



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