白銀の女神 紅の王
緊張の瞬間だった―――
しかし、私の不安を余所に、小瓶の中身をロメオに投げつけた効果は、すぐに表れた。
「ッ……なんだ…これは……。」
グッ…と何かに耐えるように眉を寄せるロメオ。
何度も目を瞬かせ、頭を振る。
段々と、目がトロン…としてきて……
「まさかッ……エレ…ナ……様……。」
ドンッ―――――
その言葉を最後に、ロメオは私に覆いかぶさる様に倒れ込んだ。
「んッ……おもい……っ。」
気を失ったロメオの体を、押しのけ、何とかロメオの下から脱出する。
ハァハァ…と、息を整えながら、地面にうつぶせ、気を失うロメオを見る。
そう………
この小瓶の中身は、睡眠薬だった。
小屋で、男が近付いた時に僅かに香った匂い。
瞬時に、それが、ここに連れてこられる時に嗅がされたモノと同じだと言う事が分かった。
あの時、男から拝借していて良かった……
でなければ、今頃私は……
想像しながらも、ぶるっと震える。