白銀の女神 紅の王



私は、このままロメオの思うがままになるの?


こんな…好きでもない人と……

そんなの嫌……ッ


キュッと口を固く結び、おもいっきり顔を逸らす。

しかし、それを不服に思ったロメオが、今度は両手で顔を固定する。



「ッ………!」

今度こそ、完全に逃げ場を失った。



「観念してください、エレナ様。」



どうするの……

どうすればいいの……

混乱する頭で、必死にこの場を切り抜ける方法を考える。


そして、ふと、あるモノの存在を思い出す――――

それは、この離れの小屋に来る時に、男から奪ったモノ。

それは、まだ右手にしっかりと握られていた。

ロメオの両手が、私の頭を固定している事で、右手は自由がきく。


もう……迷っている暇はない。

次のチャンスも、いつ巡って来るかも分からない。



意を決して、動いた―――

右手に持った小瓶の中身を、ロメオの顔めがけてかける。



パシャッ――――

「ッ……何を……。」

小瓶の中身は、見事ロメオの顔に命中した。




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