白銀の女神 紅の王
「いつもいつも、お前は俺をその見下した目で見ていた。先々代の王の息子にもかかわらず生かしてやっていたのは誰だ?」
フォレスト伯爵は顔を真っ赤にして、悔しさを込めた視線をシルバに向ける。
対するシルバは、落ち着いた様子で口を開いた。
「俺がいつ生かして欲しいと言った?いつお前らに命乞いをした?当時、幼い俺を懐柔しようと躍起になっていたが、子供一人に敵わぬとはな…。」
「黙れッ!」
ザワッ―――――
フォレスト伯爵の怒鳴り声に、その場にいたシルバ以外のすべての者がざわつく。
わなわなと震えるフォレスト伯爵は、私に怒鳴った時よりも怒りに震えているようだった。
「フッ……やっと本性を露わしたか。待ちくたびれたぞ?」
表面には見せないけれど、こちらも、静かな怒りを湛えたシルバが獰猛な笑みを浮かべる。
それは、煽りすぎじゃ……と思ったけれど…
シルバにとって、フォレスト伯爵は、両親の仇みたいなもので…
その本人を目の前にすれば、怒りを抑えることなんてできないのだろう。
「ここには俺と、お前の部下しかいない。言いたい事を言ってみろ。」
どこまでも上からモノを言うシルバに、フォレスト伯爵の何かが音を立てて切れたようで……
「お前さえ……お前さえいなければ、私が次期国王の座につけていたのだ!」
完全に取り乱す、フォレスト伯爵。
「何のために私がアイザックス王についていたと思っている!国王になるためだ!」
忠誠心の欠片もない主への冒涜。
それを躊躇いなく言葉にする者に、国王は務まるのだろうか?