白銀の女神 紅の王
「アイザックス王へどれだけ金を収め、どれだけ尽力したことか…。」
この人の価値観は、全てお金。
お金で買った王位など、脆くて、薄い。
きっと、ここにいる人たちもきっと、お金で雇われている。
私は、フォレスト伯爵の過去は知らないけれど、そんな事は、今の会話から容易に想像できた。
「主に媚を売ることでしか己の地位を築けないお前が国王だと…?笑わせるなッ!」
真っ向から否定するのは、現国王のシルバ。
シルバがこんなにも怒りを露わにするのは初めてかもしれない。
「お前が支配する国など、先には“滅び”しかない。ギルティスに助けを求めている時点でお前の国王としての度量がない事は明らか。」
紅の瞳と、険しく寄せている眉のせいで、いつも怒っている印象のシルバだったけれど。
思い起こしてみれば、“本気”で怒っている姿はあまり見ていない様な気がする。
いつも、私が怒っていると誤解していただけ…
それは、シルバの不器用な優しさに触れたからかもしれない。
それに比べて、今のシルバは明らかに怒りを露わにしている。
ピリピリとした空気に、視線だけで射殺してしまいそうな紅の瞳。
相変わらず、口元には獰猛な笑みが浮かんでいるが、口から出る言葉は、刃物の様に鋭くフォレスト伯爵を刺す。