白銀の女神 紅の王
「俺がお前を逃がすわけがないだろう、フォレスト。国家に仇なし、市民から金を巻き上げ……あろうことか、敵国に逃亡を図ろうとしているお前を。」
獰猛な笑みを浮かべ見下ろすのは、ずっと欲してきた反逆者という名の獲物。
「死を持って償う覚悟は出来ているか?」
地を這うような声で、フォレストたちを見下ろす。
喉元に当てた剣で、皮膚の表面を切る。
ツーっと流れ落ちる血に、一瞬で顔を真っ青にするフォレスト。
ロメオは、フォレストを支えたまま、怯えた表情で固まっている。
“冷徹で冷酷な国王”
いつしか、一部の者にはそう呼ばれる様になっていた。
肯定も否定もしてこなかったが……
今ならば、噂通りである事を認めよう。
コイツらを目の前に、怒りを抑える事が出来ないほど、己を制御出来なかった。
グッとフォレストの喉元にあてた剣に力を入れると…
「ま、待て!」
小さく悲鳴を上げたフォレストが、後ずさってそう言う。
「わかった!私が悪かった。」
悪かった……?