白銀の女神 紅の王



「俺がお前を逃がすわけがないだろう、フォレスト。国家に仇なし、市民から金を巻き上げ……あろうことか、敵国に逃亡を図ろうとしているお前を。」

獰猛な笑みを浮かべ見下ろすのは、ずっと欲してきた反逆者という名の獲物。



「死を持って償う覚悟は出来ているか?」

地を這うような声で、フォレストたちを見下ろす。

喉元に当てた剣で、皮膚の表面を切る。

ツーっと流れ落ちる血に、一瞬で顔を真っ青にするフォレスト。

ロメオは、フォレストを支えたまま、怯えた表情で固まっている。






“冷徹で冷酷な国王”




いつしか、一部の者にはそう呼ばれる様になっていた。

肯定も否定もしてこなかったが……

今ならば、噂通りである事を認めよう。

コイツらを目の前に、怒りを抑える事が出来ないほど、己を制御出来なかった。




グッとフォレストの喉元にあてた剣に力を入れると…



「ま、待て!」

小さく悲鳴を上げたフォレストが、後ずさってそう言う。



「わかった!私が悪かった。」



悪かった……?



< 400 / 531 >

この作品をシェア

pagetop