白銀の女神 紅の王



「ッ………!」

肩口に顔を埋めるように倒れ込んできたシルバ。

そして、仰向けになっている私の体を抱きしめた。

あまりの事に、息をするのも忘れて、体を固める。





すると―――――

はぁ…と深く息を吐き出し…



「……背中の傷は大丈夫か?」

肩口に顔を埋めたままそう話すシルバ。

くぐもった声は、先程の低い声とは対照的に、とても優しく響く。



「傷は開いていないか?」

私の顔を見ないまま、伺うように聞くシルバに、コクンと頷きながら「大丈夫」と伝えれば…

再び深く息を吐くとともに、シルバの体から力が抜けた。



背中の傷は大丈夫……


だって、さっきベッドへ倒された時。

貴方は私の背をちゃんと庇ってくれたもの…




「どこへも行くな。……俺の傍にいろ。」


「私はいます……ここに。」

ギュッ…と抱きしめるシルバに応える様にシルバの背に手を回す。

今は、シルバの言葉の意味を考えたくはなかった……



< 461 / 531 >

この作品をシェア

pagetop