白銀の女神 紅の王
そして、シルバが体を離した時―――
「失礼します。」
女性特有の高い声が聞こえ、キィー…と開く扉。
いつものハキハキとした彼女の声が、いつもよりも元気がないのは気のせいだろうか…
そんなことを考えていると、扉を閉めてこちらを向く彼女。
バチッ―――――
視線が交差する。
そして、シルバと視線の合った彼女は、みるみるうちに青ざめ、あわあわと口を震わせ…
「ももも、申し訳ございませんッ!」
そう言って、頭を下げる。
「あああのっ…わたし……あの…」
頭を上げるも、シルバに視線を合わせる勇気はない様で、下を向いている。
言いたい事もまとまっていない様子だ。
すると、シルバが溜息をつき……
「落ちつけニーナ。」
あわあわと挙動不審になっている彼女、ニーナに声をかけた。
「は、はい。あの…ま、まさか、この時間帯にシルバ様がいらっしゃろうとは思わず……」
ふと、時計を見れば、午前9時を指している。
確かに、この時間帯ならシルバは既に後宮には居ない。