白銀の女神 紅の王
「確かに、始めはお前の能力が目的だった。」
シルバは私を抱きしめたまま、ゆっくりと話し始める。
「この国に、“人の心を読む能力”を持った者がいると聞き、利用できる…と。」
それは知ってる…
貴方はそれを隠そうともせずに、交換条件を出してきたのだから。
「反逆者を捉える為に、利用出来るだけ利用して、事が治まればお前を城下へ戻すつもりだった。」
そんな気はしていた。
私はお金で買われたけれど。
シルバにとっては、私を買った額などきっとはした金でしかなくて。
必要なくなればいつでもポイッと投げ出されるのだと。
噂通り、手段を選ばない国王だと思っていた。
けど……
「だが……」
心の中の想いと、シルバが口にした言葉が重なる。
「いつの間にか、お前に惹かれていた。もう、後には引きかえせないほどに…」
真剣とも取れるシルバの言葉に、どうして良いか分からなくなる。
まさか、シルバも私と同じような事を感じていたなんて。
どこか上の空で、シルバの言葉を聞いていた。