白銀の女神 紅の王
ギュッ…―――
再び重なる体。
僅かな距離を埋めたのは私だった。
シルバの広い胸に飛び込み、服をキュッと掴む。
「ッ……シル…バ……」
内心引き離されはしないかドキドキしていたけれど…
シルバの手はふわりと私の背に回った。
それが、とても嬉しくて。
目の前が歪むほどに涙が溢れた。
「すき……好きなの…シルバっ…ふっ…っく。」
嗚咽交じりの言葉で、シルバに伝える。
ずっと言えなかった想いを。
ずっと心の中にしまっておこうとしていたこの気持ちを。
私がどれだけシルバの事を想っているか…
それを“好き”というたった二文字で表すしか出来ないもどかしさを感じる。
だから、私は伝え続ける―――
「好きなの……シルバが。私の命よりも…大事なの……」
その瞬間、バッと距離を取られる。
離れて目に入ったシルバの顔には、明らかな怒りの色が滲んでいた。
「それは二度と言うな。」
低い声で、唸る様にそう言うシルバ。
「もうあのような真似はするなと言ったはずだ。」
シルバが言う“あの様な真似”とは、きっとシルバを庇った時の行動の事だろう。