白銀の女神 紅の王
「けど……それでも…同じ状況が起きたら、私は迷わずに動くわ。」
大切な人の危機を前に何もしないなど出来ない。
あの時だって、自然に体が動いたの。
あの矢に当たれば無事では済まされないと分かっていたのに…
それ程、貴方は私にとって大切な人。
譲れない想いを瞳にのせ、シルバを見つめれば、溜息を一つ吐かれる。
そして――――
「まぁいい。次は絶対にないからな。」
フッとシルバらしい笑み。
「俺がさせない。」
傲慢にさえ聞こえるその言葉も、シルバなら許せてしまう。
ドキドキと甘い鼓動を刻む心音を感じながら、言葉の意味を考える。
先程から頭を支配するのは、自分に都合の良い考えばかり。
簡単に信じてはダメだと言う事は昔から分かっている事なのに…
「シルバ……本当に、信じてもいいの?」
眉根を寄せて、まだ信じ切れていない私は端から見れば面倒な女だろう。
案の定シルバも…
「しつこいぞ。」
心外そうに眉を寄せ、不機嫌になる。